無断キャンセル


「無断キャンセル」、「無連絡キャンセル」といった表現。なんか妙だなと思ったことはないですか?

私はこの表現に違和感を覚えたきっかけは、それを中国語に翻訳する時だった。そのまま訳すと「擅自取消」になるけれども、なんか変だよね。

キャンセル(取消)はそもそも「相手に伝える」という前提の動詞で、例え「伝える」までしていなくても、何らかの操作や手段によって相手にその意思を表明する行為だと思う。しかし、無断キャンセルする不届き者は「キャンセル」という行為すら行っていない。相手に何の連絡も入れず、ただ行かなかっただけだ。

キャンセルの前に無断であろうと無連絡であろうと、どんな表現をつけたとしても、彼らは「キャンセル」していないから、「キャンセル」を使うのはおかしいと思い始めた。

英語では「NO SHOW」というらしい。なるほど、確かに「現れなかった」わけなので、中国語で言うと「未現身」、「未到場」となる。「取消」より全然いい。

「無断キャンセル」、「無連絡キャンセル」の代わりに、日本語で何か腑に落ちる表現がないのかな?
無連絡不参?
予約不履行?
無断・・・ 

駄目だ。出てこない。

ノーショーはやめてね。



謎の種


六月の時かな。たぶん。

朝ごはんの果物から、立派な種がたくさん出てきた。いつものよりもっこりしていて、なんだか元気そう。バジルのプランターにまだスペースがあるから、五つを選んで、面白半分にそこに埋めた。間隔を開けて、適当に。その後、世話することも気に留めることもなく、忘れていた。

先週。ふと気が付いたら、一株しかなくて寂しそうなバジルを離れたところに、見覚えのない苗が二つあった。


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ポジションから見れば、おそらく当時埋めた種から出てきたものは間違いない。しかし、肝心な果物は思い出せない。

いったい何の種を埋めたっけ??

朝ごはんの食卓ではこの話題が続くが、誰も覚えていない。まあ、この二か月、うちの朝の果物は大体りんご、王林、オレンジだから、その中のどれかな。見守っていこう。






ならぬものはならぬ



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左側は台湾で買った、ちょっと遊べる葉書です。裏側の線を沿って切ったりすると、昔の木造駅舎を立体的に折ることができます。

右側は日本の普通の葉書です。

台湾の官製葉書は最大14.8×10.5cmと定められており、
日本の15.4×10.7cmとほぼ同じです。

その木造駅舎を作れる葉書を二日前に友人に送りましたが、今日返却されました。理由は葉書の大きさを超えていまして、料金は20円足りないとのことでした。


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切手を貼る時は気になってはいたけれど、たかが紙一枚で、大目で見てくれるだろうと高を括りました。甘かったです。日本の郵便局はとてもしっかりとしています。一枚の葉書を差出人に返却する人件費や配達などのコストは20円以上かかると思いますが、駄目なものは駄目です。ならぬものはならぬのです。手間をかけてしまってごめんなさい。

ちなみに、その木造駅舎の葉書は17.3×11.8cmでした。台湾でも規定サイズを超えていますが、大目で見てくれそうな気がします。

いずれにしても、このような楽しい葉書は台湾の空港ではお土産としてよくありますので、日本で使う際にお気をつけてください。ちょっとデカイなぁと思ったら、82円の切手を貼って出しましょう。


無題 
完成後(http://monkey-design.com.tw/)


70歳


今年、父が70歳を迎える。日本にいる、私たちの8月の帰省に合わせて、皆で盛大に祝うことになった。

うちは5人家族。三人兄弟全員結婚していて、台北に住んでいる妹は子供3人、実家の宜蘭で三世代同居している弟は子供2人。それぞれの世帯が全員参加するので、父、母、兄(私)家族3人、妹家族5人、弟家族4人。合計14人の大所帯が東北海岸に面するリゾートホテルのコテージを丸ごと貸切してわいわい祝うことになった。ユニフォームまで作るらしい。

ユニフォームはちょっとやりすぎかな(気恥ずかしいし)、と、思ってはいたけど、まあいいかと思って。作っちゃえ!思いっきりお祝いしよう!




ランボー


先日、お客様からクレームが来たと、翻訳会社に告げられた。

去年納品したものに誤訳があって、パンフレットを印刷し直すことになったらしい。慌ててその納品ファイルを調べたら、本当だった。誤訳というよりも、アリカをアリカと打ったような、ものすごい単純だけど絶対にあってはならないタイプミスだった。

そのお客様はとても慎重なクライアントで、翻訳会社が校正・校閲したものを海外現地のネイティブ社員に何度もチェックしてもらい、その結果をまた翻訳会社を通して私にフィードバックして修正を求めた。レイアウトが出来上がった後も手書きの修正が何回か入っていた。本当に大変な案件だった。

なのに、そのタイプミスは誰にも気付かれたことなく、翻訳会社の校正・校閲を通り抜け、今まで経験した中で一番うるさいチェック体制が厳しいお客様の監視をくぐり、最後の最後まで生き残ってしまった。もはや奇跡としか言いようが無い、まるでランボーのようなタイプミスだった。それを生み出した張本人が私だが。

幸いなことに、翻訳会社はお客様に刷り直しの費用を請求されることなく、クライアント側の負担で済むことになったけど、今回のことで改めて誤訳の怖さを味わった。

落ち込んでいる暇はない。気を建て直して、頑張ろう!



静かにかき混ぜながら


無性に麻婆豆腐が食べたくなった。

その素と材料を買ってきて作ったけれど、作り方にちょっとツボに入った表現があった。


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静かにかき混ぜながら。
静かにかき混ぜ。

最初に読んだ時に、なんか変わった書き方だなと思った。しかし、作っていきながらそのステップに入ると、ふと納得した。

普通なら、軽くかき混ぜながら…、もしくは軽くかき混ぜ…と書くほうが多いだろうけど、「軽く」という力加減は人それぞれだし、普段あまり料理する機会がない人にとって、その軽さの程度もちょっとわからないかもしれない。

この作り方通りに、音を立てないことを意識してヘラで鍋の中の材料をかき混ぜる時は、本当に軽~くかき混ぜるしかない。静かにかき混ぜようとすると、自然に軽くかき混ぜることになる。力加減もまさに音を立てないほどの軽さ。

味も書き方もうまい麻婆豆腐だった。



ありがとう


大体家で働いているので、買い物は通販で済ませることが多い。

一番お世話になっているのはアマゾン。一年前か二年前ぐらいかな。その時、配達予定日は教えてくれるものの、時間帯まではわからず、指定も出来なかった。しかしある時から、ヤマトが配達する前日にメールで知らせるようになり、受取の時間帯も場所も変更できるようになった。

僕は嬉しかった。便利だからではなく、配達員さんに無駄足を踏ませることが避けられるからだ。僕は曜日によって家にいる時間が違うし、翻訳の気分転換にスーパーに行ったりランニングに行ったり。再配達の伝票を見るたびにいつも申し訳ない気持ちでいた。たった数分前に書かれた伝票もあって、配達員さんの気持ちを思うと本当にただただ申し訳ない。

受取の時間帯が指定できるようになってから、必ず家にいる時間帯に届けてもらうことにしている。絶対配達員さんに2回来てもらいたくない。でも、気になるのは、アマゾンの荷物の送り方。例えば、AとBを同時に注文して、代金も一緒に払ったのに、AとBが別々の日に届いたことがある。まとめ買いして配達の負担を減らしたいのに、これじゃまるで意味が無い。どうしてこうなるか、わからない。二日連続同じ配達員さんの顔を見た時に、本当に本当に申し訳なかった。その人は「まとめて買えよ!」と思っていたんだろうけど、いつもの笑顔だった。

2時間刻みの時間指定は本当にすごいと思う。世界中は恐らく日本にしかできない。でも、日本はこの便利すぎるシステムに慣れすぎて、このシステムを支えるためにどのぐらいの凄まじい努力が必要なのか、忘れてしまっているようだ。

2000円以上を買ったから、送料無料ね。明日の18時と20時の間に送ってきてね。

もしあなたがお店だったら、このようなサービスをどこまでやっていられますか?

うちは3階。僕の仕事部屋は生活道路に面している。配達の車が来たら音でわかる。ヤマトのニュースが連日報道され、ガイアの夜明けという番組で彼らは荷物1つを配達して150円を稼ぐことを知った。

この間、配達員さんが荷物を車から降ろしている間に、僕は下に行って建物の入り口で配達員さんから荷物を受け取ってみた。配達員さんは恐縮しながらも、とても喜んでいてありがとうと言ってくれた。

こちらこそ、ありがとう。


翻訳ガール


すごく面白い小説を読んだ。


翻訳ガール 


翻訳会社を舞台とした小説はそもそも珍しい上、
登場人物の一人一人が鮮明な個性を持ち、
構成も描写も人を惹きつける何かがある。

自分は翻訳会社からお仕事を頂いている立場なので、
翻訳会社のことはもちろんある程度理解している。
ただ、小説という形で「翻訳会社の仕事現場を見た」のは初めてで、
改めて日ごろお世話になっているコーディネーターとチェッカーたちに感謝しなくては! 
と思った。


最後の一節をここで引用する。

タナカ家にもそのまま当てはまる言葉だった。コーディネーターが営業をかけてトライアルを請け負い、みんなで苦心してそのトライアルの最高峰の翻訳原稿を仕上げて提出しても、相手先の意に染まらなかった場合はそれで終わり。けれどもその落胆を糧に、多くの歓喜も勝ち取ってきた。


これからも私を選んでくださった翻訳会社の皆さんに感謝しつつ、
一緒に最高峰の翻訳を仕上げて多くの歓喜とお客様の嬉しい声を勝ち取っていきたい。