歯医者さん



久々に歯医者さんに行った。

もう何年ぶりだろう。6年?7年?まだ日本の大学で勉強していた頃。たぶん。その時歯の状態はあまりにもひどくて、恐る恐る家の近くの歯医者さんに行ってみたら、すごく丁寧に治療してくれた。あまりにも完璧だったから、もう高枕無憂だと思って歯のことを忘れて悠々自適に過ごした。定期健診の必要性はわかっていても別にいいやと思い続けた。

気がついたら一番奥の歯に虫歯が出来た。深い穴になっていた。まったく知らなかった。もうこれ以上放置できない。歯医者さんに行こうと決意した。

今住んでいる家の近くにも歯医者さんがいるけど、そこはあまり好きじゃない。受付のお姉さんは皮膚だけで笑顔を作る人。目は笑わない。声はよく通るが無愛想。評判がよいらしくて繁盛しているけど、歯医者さんは三人ぐらいいて衛生士さんはもっとたくさんいて、いつも複数の患者をせわしく回りながら診ている。毎回同じ歯医者さんが見てくれるとは限らない。予約の時間通りに行っても時間通りに治療が始まったことは一度も無い。15分~30分ぐらい待たされる。院内は常に人がいっぱいで何だか騒々しい。

なんでこんなに詳しいかというと、息子をそこに通わせているのだ。何しろ、家に一番近いから。診療台にはテレビモニターまで付いていて、横になって治療を受けながらアニメが見られる。お子様には大変素晴らしいシステムだが、ただでさえ騒々しいのにテレビなんか付けるとますますうるさくなる。

引っ越す前のうちの近くの歯医者さんに行くと決めていた。遠くなったが一人で自転車で行くなら全然問題ない。あそこは歯医者さん一人だけで、助手も2、3人だけ。治療を受ける患者は一回一人だけで、診療室に入ったら周りに自分と歯医者さんと衛生士さん3人しかいない。マシンの音とやり取りの言葉しかなく、静かだ。予約の時間通りに治療が始まらないことは一度も無い。待合室の患者はいつも一人かゼロか。数年ぶりに行ったけど、このスタイルはまったく変わっていない。

年内最後の日の予約が取れた。午前10時半と受付のお姉さんは言いつつ、僕の診療カードに書いた時間は何故か午後3時半になっていた。確認してみたら、そのお姉さんはとても照れくさそうに「あれ?何で3時半って書いたんだろう?」と笑いながら謝って直してくれた。「何ででしょうね」と僕も笑った。

家の近くに図書館とコインランドリーがあるというのは僕のささやかな希望である。お気に入りの歯医者さんも加えたい。


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インスタントやきそばに虫らしいものが混入した事件はちょっと大騒ぎになっているらしい。昔のことを思い出したので、そのやきそばと虫の画像を検索してみたら、想像以上の衝撃だった。本当かどうかわからないけど、出来れば見ないほうがいいと思う。

何年前かはもうはっきり覚えていない。私も日本のカップめんの中に虫を見たことがあった。蛾や蝶々の幼虫のようなもの。1センチぐらいの大きさで、お湯を注いで3分待った後の状態で気づいたから、ぷるんぷるんして太かった。どうやら乾燥された薬味の中に入っていたらしい。

その時はすでにブログをやっているけど、写真を撮ってその衝撃的な光景をアップする考えは無かった。だって、そんなことをしたら、メーカーはすぐにあらゆる手を使って私を見つけ出して叩き潰すでしょ。お茶の子さいさい。そんなややこしいことになりたくないから、私はおとなしくメーカーのお客様窓口に連絡した。いくらなんでもこれはショックすぎるから、知らせなければならないと思った。

電話の対応時間外だったので、私は幼虫が浮かんでいるカップめんの写真を添付して、事情と自分の連絡先を書いたメールを送った。そしたら、1分の経たないうちにメーカーから電話がかかってきた。若い男性の声で、すごい丁重に謝って丁寧に対応してくれた。

結果はこうだった。

まずそのお湯を注いだカップめんを自宅の冷蔵庫で一晩冷凍し、翌日着払いの宅急便でメーカーに送った。調べてもらうために。2~3日後、メーカーからお詫びの品々と手紙がうちに届いた。その品々は全部そのメーカーの商品で、同じカップめんも入っていた。カップめんはもう食べる気がしないってばと、苦笑いしながら思った。手紙にはこれから生産の工場をきちんと調べるから少々お待ちくださいというようなことが書かれていた。

二、三週間後かな、報告書が届いた。工場長本人がまとめた報告らしかった。製造の工程と工場の内部を写真付きで詳しく説明してくれた。混入する可能性のある工程や場所を調べたが、結局特定することができなかった。なんだかんだいって結局原因不明だったことにあまり釈然としなかったけど、むこうも頑張ったみたいだからまあいいか。これで終わり。

いまだにあまりカップめんを食べる気がしないが、どうしても食べたい時は、最初の一口を食べる前に中をよく観察することにしている。


どうしよう。


自分もわかっているけど、このブログは非常につまらなくなっている。だからコメントする人もいなくなった。コメントしようが無いから。

もう10年前か。日本語を練習するためにブログを始め、たどたどしくても身の周りのことを何の躊躇もなく日本語で書き続けた。でも日本での生活が長くなっていくうちに、自分の中にある色々な「何か」も、変化し続けた。一番大きな変化は、たぶん、プライバシーに対する考え方だと思う。

「プライバシー大国」の日本。知らず知らずに、いつの間にか、私も日本みたいにプライバシーに気を遣うようになった。しかも小心者という本来の性格も加担して、必要以上に気を遣う。居場所が特定されないようにぼかせる所を全部ぼかし、身内のことも出来るだけ書かないようにし、自分はいったいどんな人物なのかをもなるべく知られるまいとふるまうようになった。

もし日本に来なかったら、今の私も台湾の友達と家族みたいに、毎日の出来事や人の写真を当たり前のようにfacebookにアップし、LINEをやりまくっているだろう。

自意識過剰だな。きっと。自分を何様だと思ってんの?あんたになんか興味ねーんだよ。と、どこから聞こえてきそうだ。

数年前のことだけど、はっとさせられたことがあった。台湾人のブロ友が一人いる。ブログを通して知り合い、同じ大学に通っていたこともあって、メールアドレスを交換した。頻繁にメールのやり取りをするわけでもないが、なんか頼みたいことがあったりすると連絡したりする。実際に会ったことはない。ある日、その人に言われた言葉が忘れられない。

「なんか、有名人とやりとりしているみたい。」

本当に恥ずかしかった。必要以上に自分を守ろうとする私の防衛体制に、その人も呆れただろう。

台湾の家は、玄関のドアを開けたら居間が目の前に現れる。家に上がった瞬間もう居間にいる。日本の家は、玄関のドアを開けても見えるのは壁や階段だけで、居間は一番奥のほうにある。家に上がっても廊下を通らないと居間に入れない。私は日本の家に慣れてしまったのだ。

どうしようって言ってもしょうがないけど、どうしよう。

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