折り返し


次から次へと、市役所からなにやら封筒が届くようになったのは数ヶ月前からのこと。特定健康診査。がん検診。歯科検診。あまり考えないようにしているが、あの無機質な建物の中で働いている人たちが「もうそろそろ40歳だよ」と無情にも知らせてくるのだ。

感謝している。そろそろ40歳になる実感はまったくないけれども、紛れのない事実だし、タダで自分の体の健康状態を調べてもらえるのも、フリーランスの翻訳者にとってはありがたい。本格的ながん検診もたったのワンコイン。何年間も払ってきた(決して安くはない)国民健康保険料の見返りをこんなに感じたのは初めてだった。

人生の折り返し、か。

全然ピンと来ない気持ちを抱えたまま、あと半月ぐらい使えなくなる特定健康診査表を持って家に一番近いクリニックへ行った。

朝一番行ったのに、待合室の椅子は埋まっていた。概ねというより、ほぼ全員高齢者だった。家に戻ってレッツノートを持ってきて、原稿の最終確認作業を続けた。約30分後呼ばれた。血液を三本取られた後、40分ぐらい廊下で待たされた。その間、本を読んだり、また原稿の最終確認作業にかかったり。

診察室のお医者さんは声はがやたらとデカい。患者さんの耳が遠いようだ。

クリニックを出た時はもうお昼だった。昨夜から何も食べていないから腹ぺこぺこ。家に帰って適当に昼食を済ませて原稿の最終確認を急いだ。3時間後。了承を得て、締め切りの30分後に無事に納品した。

どっと疲れたけど、私のレントゲン写真を見たお医者さんの言葉が嬉しかった。

「うん、きれいですね。」