小雨の中

三日前にサクラが死んだ。

とても涼しい朝だった。目覚ましに起こされ、トイレに行く時にサクラのお家を見てみたら、えさのお皿の中にサクラが静かに眠っていた。息、なかった。前の日に外に出して遊んだ時、サクラはまだ床をパタパタとあちこち歩き回ったのに…

サクラという名前を付けた妻もショックだった。たった眠ってるじゃないのと信じられない様子だった。仕事に出かけた後も僕に「サクラ、目覚ましてない?」とメールを送った。でも、サクラは深く深く眠り続けた。

動かなくなったサクラをしばらく眺めていた。年を取ったせいか、ここんとこすっかり弱っていたサクラ、動かなくなった。

夜に一緒に外の庭に埋めようと妻が言ったけど、部屋の中がむしむしと暑くなってきたから、学校に行く前に一人で埋めると決めた。それに、何も見えない真っ黒い夜より、この小雨の降っている清々しい朝がいい気がした。

サクラを白いキッチンペーパー二枚で包んで、サクラの大好物、くるみ、と一緒に竹の籠に入れた。外は小雨だった。僕は部屋のベランダを出て、庭の木の下に穴を掘ってその籠を埋めた。

その日の授業は上の空だった。本を読んでも続かなかった。机の前で勉強や仕事をする時にうしろでうるさい音を立ててくるみを楽しくかじるサクラの存在、想像以上に大きかった。

ありがとう、サクラ。

2005年3月27日

2005年4月20日

2005年11月20日

img20060624.jpg


img20060626.jpg


コメント

非公開コメント