どんぐり

 
子どもの頃、どんぐりを拾った記憶がなく、見たこともない。そもそも台湾にどんぐりがないのか、単に私が知らないだけなのか、よく分からない。でも、日本のように、すべての人々の心に繋いでいるようなものとしてのどんぐりは、たぶんないと思う。

歌もあるし、絵本もいろいろあるし、不朽の名作の「となりのトトロ」もどんぐりで子どもたちの心をぎゅっとつかんでいる。

出版社勤務の知り合いからもらったどんぐりの絵本を読んでみたら、私もはまってしまい、公園を走っている時ついでにたくさん拾ってきてちびにプレゼントした。殻を剥いて味見さえした。ものすごくまずかった。渋くて苦くて舌がピリピリする。食えるもんならそこらへんにいっぱい転がるわけがないけど。

どんぐりの絵本


この絵本を読んで、どんぐりの中に「こらなしぎぞうむし」の幼虫がすんでいることを初めて知った。どんぐりが青いうちにお母さんが卵を中に産み、生まれた幼虫はそのままどんぐりの中身を食べて成長し、中をうんこだらけにする。どんぐりが土に落ちた頃、中から穴を開けて外に出る。

確かにどんぐりを拾っている時にいくつかは穴が空いていた。だから穴のないやつを選んで家に持って帰った。でも、ある落とし穴が私たちを待っていた。


こならしぎぞうむし


「ひゃあー!!」

通報されてもおかしくない悲鳴を上げた。ちびにあげたどんぐりから虫が出た。絵本とまったく同じだった。可愛くはすこしあるけれど、家の中に置くにはやっぱり衛生上よろしくない。公園に帰したかったけれど、あいにく台風が来ている。防寒用のティッシュ(効果不明)とサツマイモのスライス(食べるかどうかも不明)を入れてケースごとにベランダに置いた。

やっと晴れても忙しくて、帰したのは数日後だった。ほとんどのどんぐりは穴が空いていた。でも、動いている幼虫は一匹もいなかった。ごめんなさい、と心の中で謝りながら、彼たちをどんぐりの木の下に帰した。一匹が動いていた。たぶんどんぐりから出たばかりの幼虫だ。

大きくなーれ。

コメント

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tokoさん
それはね、幼虫のいたどんぐりは穴から砂のようなウンチがたくさんこぼれてくるから...(汗)

昔は無邪気に触ってましたけど、幼虫がいたなんて。子供ってすごい;
どんぐりをちゃんと帰してあげるなんて優しいですね。