引越し記 (4)



子どもの頃、実家の一階は親戚の工場の倉庫として使われていたので、いつも材料いっぱいの麻袋と段ボールが山ほど積んであった。絶好の遊び場でありながら、怪我する名所でもあった。

弟と一緒に登ったり飛び移ったりして遊んでいる時に、段ボールのバランスが崩れ、私がドスンと床に落ちておでこの左側にに大きなたんこぶが出来たことを覚えている。本当に漫画みたいに、ゴルフボールのようなたんこぶだった。落ちた私は泣いていなかったのに、怖くなった弟が泣いていた。

リビングいっぱいの引越し段ボールを改めて眺めていると、ふとその昔の一幕が頭をよぎった。

引越しの話をする時によく聞くのは、荷物を段ボールから出すのが面倒くさくてなって、段ボールがなかなか無くならないことだ。半年そのままという話も聞いたし、一年以上過ぎても開けていない段ボールがあるという話も聞いた。

かみさんはそれが絶対嫌なので、土曜日の夕方に引越し、その後の二日間はほとんど寝ず、次の水曜日までに全ての段ボールを空にして業者さんに回収してもらった。ごく一部のしばらく出さなくてもいいもの(全部私のもの。えへ)、つまり、収納用として使おうという段ボールを除き、私も「聽某嘴,大富貴」(奥さんの話は聞いたほうがいいぞ)という台湾のことわざを信じて出来るだけ協力した。

困ったことは、アパートを出る時に片づけが間に合わず、あの怖いお兄さんの冷たい目線を浴びながら慌てて残りのものを手当たり次第で段ボールに詰めこんでいたから、幾つかの段ボールは何が入っているかさっぱり分からなかった。中華鍋をゴシゴシ洗うたわしが欲しいのに、この段ボールかな?その段ボールかな?と、開けても開けても出てこない。こういうものは幾つもあった。

一気にやるのが正解だった。その土日にずるずるしていたら、今も開けていない段ボールが残っていたと思う。速戦即決しかない。たとえへとへとだったとしても、力をなんとか絞り出して一気にやるのだ。

引越し記はまあこのぐらいにしようかな。あとはほとんどホームセンターの買い物だけ。近くに素晴らしいホームセンターがあって良かった。


おわり

コメント

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お疲れ様でした!

新しい環境は毎日が新鮮でしょう。
「しばらくは出さなくてもいいモノ」の箱がいつの間にか捨てられないようにご注意ください(笑)
ホームセンターって何時間でも楽しめますね。





のさんさん、こんばんは!
確かに、そろそろ普通の収納ボックスに移さなくちゃ!捨てられては非常に困ります。またホームセンターに行こうか。お金使いすぎてまた困りますが・・・