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漂書?


家の近くに大きな図書館があり、一階のロビーには不要図書の棚がある。要らなくなった雑誌や図書はここに置かれて、好きな人は自由に持って帰って頂く感じで。一回五冊までだ。

定期的な配布もあれば、不定期な配布もある。前者は雑誌類が多く、後者は書籍がメインだ。私は後者を狙い、ほぼ日課となっているランニングがてらに、ちょこちょこその不要図書の棚を覗きに行く。

そして昨日。四年ぶりに大当たりだった。


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棚の前にマダム一人と老婦人一人がいた。マダムは古びた大型の家事・料理本シリーズを一冊ずつ取り出して丁寧に吟味し、老婦人はしゃがんで並んでいる本の背表紙を眺めていた。本の並び方から見ると、すべに沢山の本が新しい主人を見つけたと察しが付く。

ランニング途中の私はそんな中から文庫本を五冊選び、記入用紙に日付と冊数を書き、この五冊の文庫本を右手と左手でかわりばんこ持ちながら走って帰った。五冊の文庫本を持って走る人は普段あまりお目にかからず、泥棒だと疑われるのではないかと少々心配していた。実際、チラっとこちらを見て「こいつは何をしているんだ?」と怪訝な顔をした通行人も何人か居た・・・ような気がする。

本は一旦鍵付きの郵便受けに入れ、目標の距離まで走り続けた。

しかし家に帰ってよく見たら、この文庫本たちはとても状態がいい。「やめてみた」は今年2月に初版発行されたほやほやの本だった。図書館のラベルや印、痕跡など、一切ない。本当に図書館が所蔵していた本だろうか。

「漂書」という言葉を思い出した。去年の夏休み。息子と鉄道で台湾一周した時に、町の駅で「漂書」というコーナーをよく見かけた。BookCrossingという意味で、自分の本をみんなにシェアして旅をさせるみたいなコンセプト。もしかしてこれかなと思ったが、その図書館は不要図書の棚に個人所有の書籍を置くことを禁止しているはずだ。

とにかく、あり難く頂戴する。今年の夏休み、読み終わったものを台湾へ旅させてみたい。



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