カマトト

酒井順子さんの本にはある言葉がよく使われていることに気がついた。はい、カマトトです。

「なーにカマトトぶってんだよッ。」とか。(『煩悩カフェ』より)

気になって調べてみた。


【大辞林】
(かまぼこは魚(とと)から作るのかと尋ねる意からという)
知っているくせに知らないふりをすること。世慣れていないように振舞うこと。また、その人。多く、女性についていう。「かまととぶった女性」

【新明解】
(「かまぼこ」は「魚トト」で作るのか、と尋ねる)
世慣れていないふりをよそおうために、わざととぼけた物言いをすること(人)。「かまととぶる」


カマトトの後ろに必ず「ぶる」が来るみたい。そして「トト」を調べたら、魚・鶏などの幼児語だって!トリならまだ分かるけど、どうしてサカナはトトになるわけ?魚をまな板の上で「トトトト」と切る音かな?何だが可哀相。

実はこのカマトトの響きがとても気に入った。どっかのトロピカルフルーツの名前みたい。かわいい。うちの奥さんに「ちょっとカマトトぶって」と言ってみたら、「古いなあ」とあきれられ、そして「あたし別にカマトトじゃないもん」みたいな感じで、ぷんぷんした顔をされてしまった。うん、どうやらカマトトはあまり使わないほうがいいらしい。

ところで、酒井順子さんの筆先や言葉遣いは、なんか僕が翻訳を担当している雑誌の女性編集者と似ているような気がする。二人はともに40代前半で、独身、もっとも華やかな歳にバブル経済を満喫したのだ。

「言葉は時代をうつす鏡」って本当だなぁとつくづく思ったのでした。(→酒井順子風)






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